初めてCAM HALLのステージに立ったのは6年前。
バンドを始めたばかりで、
まだ数曲しかないオリジナル曲を武器に、
緊張で足を震わせながらあのステージに立った。
今思えば歌も演奏もボロボロで、
良いところなんて一つも無かったと思う。
そんなまだまだペーペーなバンドに、
「これから絶対良くなるよ」と言ってくれ、
「また是非出てほしい」と声をかけてくれた
店長の井坂さんのおかげで、
いろいろな経験をさせてもらうことができた。
名古屋のライブハウスには居場所のなかったおれ達に、
ホームという場所を与えてくれ、
夏のイベントでワンマンライブをさせてもらったり、
レコ発やいろんな企画に参加させてもらったりもした。
解散を考えていると相談した時には、
「ちょっと話そう」と
楽屋で深夜まで話を聞いてもらったり、
これまで数えきれないほどのアドバイスもいただいてきた。
それだけに、自然消滅のような形でバンドを止め、
CAM HALLとも疎遠になってしまったこと、
井坂さんに何の恩も返すことができなかったことを、
今だに不甲斐なく思う。
バンドに打ち込んでいた20代、
多くの時間を過ごし、
共にステージに立った
たくさんの仲間と出会えた場所が
無くなってしまうのは本当に寂しい。
先日観に行ったエドモントンの
CAMでの最後のワンマンライブは、
CAM HALLをホームとしているバンドの気持ちを
代弁してくれているようで、
観ていて何度もグッとくる場面があった。
場所は無くなったとしても、
CAMの魂はそれぞれの心の中で
これからも生き続けていくのだろうと思う。
途中でリタイアしてしまった者が
何を言うって感じだけど、
最後だから言わせてほしい。
CAM HALLを通じて知り合った全ての人たちへ、
出会ってくれてありがとう。
そして井坂さん、長い間お疲れ様でした。
CAM HALLで過ごした日々は、
音楽に夢を抱いていた僕にとっての青春でした。
さよなら、またいつか。