愛知県新城市にある三河大草駅へ行ってきました。
とはいえ駅があったのは半世紀以上も昔の話。
今はすでに廃線となり、当時の風景は見られない。
真っ暗なトンネルの中を、
反対側の光を頼りに歩いていく。
トンネルの向こうには、緑が広がっていた。
かつてここに線路があって、
電車が走っていたとは思えない景色。
昔はここが人間の生活圏だったなんて、
にわかには信じがたい。
面影を感じさせるのは、残されたホームの跡だけ。
人が暮らしていた土地にも
数十年足らずで草木が生い茂り、
再びあるがままの自然の姿に戻ろうとしているようで、
自然の生命力の強さを感じる。
再び元来た大草トンネルを引き返す。
せっかく新城に来たので、
ここから車で数分の距離の鳳来寺山方面へ向かう。
今は廃校となってしまった旧門谷小学校を見学。
大正時代に建てられたという木造校舎の小学校で、
なんともノスタルジック。
グラウンドにはコーヒーショップや
パン屋などがあったが、
残念ながらこの日は定休日。
小学校の正門前にあった看板。
言われるがまま、音為川に降りてみた。
来る時に歩いて通ってきた橋の下が
アーチ状になっており、下から見ると、
蔦の絡まり具合も相まって、とても素敵だった。
看板の誘いに乗って、降りてきて良かった。
旧門谷小学校の隣には高校もあった。
この鳳来寺高校もまた、
2011年に閉校してしまったようで、
現在は廃校となっていた。
かつての生徒達は、
この木のトンネルの下を通って登校していたんだな、
と知らない学生達の青春の1ページを想像した。
帰りの道すがら、突然ゴーッとすごい音が聞こえ、
気になったので見に行ってみた。
そこは通称「新城のナイアガラ」と呼ばれる
長篠堰堤(ながしのえんてい)というダムだった。
近くで見ると、なかなかの迫力。
旧三河大草駅から始まった新城の旅。
かつては賑わっていた場所も、
今では利用する人もいなくなり、
なんだか寂しげに感じた。
けれど、その場所で過ごした人たちの記憶の中には、
きっと今でも当時の姿のままで残っているのだろう。
廃線や廃校を見ていると、
微かに残る面影から、そんな想像をしてしまう。
<アクセス>
三河大草駅
愛知県新城市富保中ノ久保
旧門谷小学校
愛知県新城市門谷宮下26
愛知県立鳳来寺高等学校
愛知県新城市門谷宮下
長篠堰堤
愛知県新城市横川倉木